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毛根にも「寿命」がある?

毛根にも「寿命」がある?

人生100年時代、最後まで自分の髪で過ごすための「引き算」の考え方

先日、ある育毛剤の広告・コマーシャル出演のご依頼をいただき、『毛根寿命(もうこんじゅみょう)』についてのインタビュー撮影に行ってまいりました。

インタビューを受けながらお話しする中で、改めて「これだけは皆さんに伝えたい!」と強く感じたことがあります。

それは、

「人生100年時代を最後まで自分の髪で過ごせるかどうかは、今この瞬間の毛根の使い方にかかっている」ということです。

「毛根に寿命なんてあるの?」と思われるかもしれません。

しかし最新の科学では、毛根がなぜ寿命を迎え、二度と生えなくなるのかというメカニズムが明確に証明されています。

本来、私たちの一つ一つの毛根には、「120年」は戦えるだけのポテンシャルが備わっています。(※個体差はあります)

それなのに、なぜ現代人の髪は、私たちの寿命が尽きるより先に「引退」を迎えてしまうのでしょうか?

髪の毛が生え変わる「回数券」のお話

実は、一つの毛根から髪が生えてくる回数には、一生のうちで限りがあります。

東京大学 医科学研究所の西村栄美教授らが、その仕組みを科学的に証明した論文は世界的に有名です。

簡単に言うと、ヘアサイクル(髪が生え変わる周期)には、一生のうちに使える「回数券」が決まっているのです。

 【知っておきたい髪の寿命データ】

 1サイクルの期間(髪の寿命)

   男性:約2年〜5年

   女性:約4年〜6年

 

一生に繰り返せる回数

   

一般的に15回〜40回程度

仮に「1サイクル4年 × 30回」と計算すると、合計で約120年。

本来、私たちの毛根は寿命よりも長生きしてくれる、とってもタフな存在なのです。

ですが、現代の忙しい生活の中では、知らず知らずのうちにこの「回数券」を急いで使わされてしまうことが少なくありません。

どうして「回数券」が早く減ってしまうのか?

毛根が「もう次のサイクルへ行かなきゃ!」と急いでしまう主な要因は4つあります。

 1. 頭皮の中の「小さな炎症」

   表面は赤くなくても、酸化した古い皮脂、過剰なケアによる成分の残留、紫外線などの刺激によって、奥底で微かな炎症が起きることがあります。すると内部で「脱毛因子(TGF-βなど)」が放出され、成長期を強制終了させて次のサイクルへ無理やり進めてしまうのです。

 2. エネルギー不足(ゴースト血管)

   髪を育てるには、ミトコンドリアが作るエネルギー(ATP)が不可欠です。血流が滞って酸素が届かなくなると、毛細血管がゴースト化し、毛根が「栄養不足だから、今回はここまで」と成長を諦めてしまいます。

 3. サビつき(酸化ストレス)

   紫外線や活性酸素が、毛根の中にある髪の「設計図」を傷つけます。チケットそのものがボロボロになり、使えなくなってしまう状態です。

 4. 頭皮の硬化(糖化)

   甘いものやお酒が好きな方は要注意です。高糖質な食事などが原因で頭皮が「焦げ」たように硬くなると、毛根がのびのびと育つスペースがなくなってしまいます。

毛根は「スマホのバッテリー」に似ています

この仕組みを身近なものに例えると、「スマートフォンのバッテリー」にそっくりです。

毛根は、一生で使える充電回数が決まっているバッテリーのようなもの。

1回の充電で本来なら2、3日は持つはずなのに、バックグラウンドで常に重いアプリ(ストレスや強い刺激)を立ち上げっぱなしにしていると、毎日充電しなくてはいけなくなりますよね。

すると、本来なら10年持ったはずのバッテリーが、たった数年で寿命を迎えてしまう……。

だからこそ、「無駄な電力消費」を抑えて、1回の充電をいかに長持ちさせてあげるかが、何よりも大切なのです。

今こそ「引き算のケア」を

私がずっと大切にしている「引き算のケア」は、まさにこの毛根の無駄遣いを防いで、その一生を全うさせてあげるためのお手伝いです。

「新しいものをどんどん足す」よりも、「今の負担をそっと引いてあげる」。

そんな優しいケアこそが、人生100年時代、ずっと自分の髪でいられる秘訣かもしれません。

今回の記事が、皆さんの髪の未来を守るヒントになれば嬉しいです。