美髪や発毛のメカニズムを考える上で、避けて通れないのが「酸化」の問題です。
今回は、巷で言われる「活性酸素」をさらに深掘りし、その化学的な実態がどのように髪と頭皮にダメージを与えるのかを、イラストにしながらお話しします。

1. 活性酸素の「王様」:ヒドロキシルラジカル
一口に活性酸素と言っても数種類ありますが、中でも最も反応性が高く、細胞への攻撃力が最強なのが「ヒドロキシルラジカル (·OH)」です。
これは非常に不安定な分子で、安定するために周囲の細胞(タンパク質、脂質、DNA)から強引に電子を奪い取ります。電子を奪われた細胞は構造が破壊され、これを私たちは「酸化(サビ)」と呼びます。

2. ミトコンドリアの悲鳴:髪のエネルギー不足
髪を生成する「毛母細胞」の中には、エネルギーを作る発電所、ミトコンドリアが存在します。
過剰な活性酸素はこの発電所の膜を酸化させ、ATP(アデノシン三リン酸)という「髪を育てるための電力」の生産効率を著しく低下させます。
電力不足に陥った毛細細胞は、いわば「省エネモード」に入り、分裂速度が低下します。
その結果、
• 髪が細くなる(軟毛化)
• 抜け毛が増える
• ハリ・コシがなくなる
といった「髪の老化」が一気に加速してしまうのです。


3. 「カタラーゼ」の減少と白髪の関係
毛包(髪の根元)では、エネルギー代謝の副産物として常に「過酸化水素」が発生しています。通常は体内にある「カタラーゼ」という酵素がこれを水と酸素に分解しますが、加齢やストレスでこの酵素が減少すると、蓄積した過酸化水素が「メラニンを作る酵素(チロシナーゼ)」を破壊します。
これが、化学的視点から見た白髪が生じる主要なメカニズムの一つです。
4. 皮脂を「毒」に変える酸化の連鎖
頭皮の皮脂は本来バリアですが、活性酸素と結びつくと「過酸化脂質」というドロドロの物質に変化します。
これは単なる汚れではなく、毛穴を塞ぎ、炎症を引き起こし、発毛・育毛の土壌を腐らせていく「毒」のような存在です。

5. 猛毒に変わる「光ラジカル」の恐怖
特に注意すべきは、カラー剤やパーマ剤に含まれる酸化剤と「紫外線」の相互作用です。
髪に薬剤が微量でも残留した状態で日光を浴びると、頭皮上で活性酸素が爆発的に発生する「光ラジカル反応」が起こります。これはホームケアだけで防ぐのは極めて困難です。

私の結論:なぜ「引き算のケア」が必要なのか
髪や頭皮に高価な栄養分を与える「足し算」の前に、細胞を攻撃する酸化物質を取り除く「引き算」のプロセスが不可欠です。
残念ながら、この「除去」というプロセスを軽視、あるいは導入していないヘアサロンは少なくありません。
エクラでは、残留する過酸化水素や活性酸素を「酵素」や「抗酸化物質」、そして「マイナスイオンを発生させる特殊なデバイス」を用いて、徹底的に中和・除去する工程を最優先しています。
髪や頭皮に残留する酸化物質をいかにリセットし、細胞の発電効率(ATP産生)を正常に戻すか。
それこそが、美髪・発毛・育毛における「最も重要な土台」だからです。
